監修:渡邉ヒロキ 元自動車メーカー勤務/現トヨタ系ティア1エンジニア/1級自動車整備士資格保有者

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「車検ってどこで受ければ安いの?」「ディーラーと整備工場でどれくらい違う?」「次の車検を通すべきか、いっそ売った方がいいのか?」

車検は2年に一度(新車は3年)のタイミングで必ずやってくる出費です。整備士として、車検で損をしている人をたくさん見てきました。その多くは「なんとなくいつものディーラーで」「安いから近所の工場で」という、比較なしの選択をしていました。

この記事では、車検費用の内訳と2026年の相場、そして業者タイプ別の特徴を整備士の視点で解説します。さらに、年式や修理費の見積もり状況によっては「車検を通さずに売る」方が経済的な場合があることも、具体的な数字で説明します。

【この記事で分かること】

  • 車検費用の内訳(法定費用・整備費用の違い)
  • ディーラー・整備工場・車検専門店の相場と特徴
  • 整備士が教える業者の選び方
  • 車検を通すべきか、売却すべきかの判断基準

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車検費用の内訳(法定費用・整備費用)

車検費用は「法定費用」と「整備費用(点検・修理)」に分けられます。この区分を理解しないと、業者間の見積もり比較ができません。

法定費用(全業者で一定・変わらない)

法定費用は国・自治体が定めた金額であり、どの業者で車検を受けても同額です。

費用項目乗用車(〜1.0t)の目安乗用車(1.0〜1.5t)の目安
自動車重量税16,400円24,600円
自賠責保険料(24ヶ月)17,650円17,650円
検査手数料(印紙代)1,800円1,800円
法定費用合計約35,850円約44,050円

※ 2026年4月現在の金額。重量税は車齢・エコカー減税の有無によって異なります。

ポイント: 業者が「車検費用○○万円」と表示する場合、この法定費用が含まれているかどうかを確認してください。含まれていない「整備費用のみ」の表示だと安く見えても、法定費用を足すと差が縮まることがあります。

整備費用(業者によって大きく異なる)

整備費用は「点検作業料」「車検代行料」「部品・消耗品交換費用」などで構成され、業者によって大きな差があります。

主な点検・作業項目(例)

作業項目費用目安
24ヶ月定期点検料8,000〜30,000円(業者差大)
エンジンオイル交換3,000〜8,000円
ブレーキフルード交換3,000〜6,000円
車検代行手数料0〜20,000円(業者によって無料の場合も)
追加整備(タイヤ・ブレーキパッド等)車の状態次第

車検費用の「安い・高い」は、この整備費用の差によって生まれます。


ディーラー車検の相場

ディーラー車検は、その車のメーカー系列の販売店で受ける車検です。

費用の目安

車種カテゴリディーラー車検の総費用目安(法定費用込み)
軽自動車6〜10万円
コンパクトカー(1.5t未満)7〜12万円
ミニバン・SUV(1.5t超)8〜15万円
ハイブリッド車8〜14万円

ディーラー車検のメリット・デメリット

メリットデメリット
メーカー専用の診断機器で精密点検費用が3業者の中で最も高め
純正部品を使用追加整備の提案が多い傾向
整備記録がメーカーに残る作業完了まで数日かかることも
保証・リコール対応がスムーズ代替車の手配が必要

整備士として言えば、メーカー固有の電子系統・ハイブリッドシステムなど、専用診断機器が必要な作業はディーラーに依頼することをおすすめします。逆に消耗品交換だけであれば、価格差を払う必要はありません。


整備工場・車検専門店の相場

地域の民間整備工場

認証を受けた整備工場(「認証工場」)では、ディーラーと同等の点検・整備が受けられます。

車種カテゴリ整備工場の総費用目安(法定費用込み)
軽自動車4〜7万円
コンパクトカー5〜9万円
ミニバン・SUV6〜11万円
ハイブリッド車6〜10万円

ディーラーと比べて1〜3万円程度安くなることが多く、地域に根ざした工場は「顔なじみ」として親身に対応してくれる場合があります。

車検専門店(フランチャイズ・チェーン)

ホリデー車検・車検のコバック・ユーザー車検センターなどの車検専門チェーンは、価格の安さと納期の速さを特徴とします。

車種カテゴリ車検専門店の総費用目安(法定費用込み)
軽自動車4〜6万円
コンパクトカー5〜8万円
ミニバン・SUV5〜9万円

特徴

  • 当日・翌日仕上げが多い
  • 点検料を低く設定し、追加整備で収益を確保するビジネスモデル
  • 店舗による品質差がある

3業者の比較まとめ

比較項目ディーラー整備工場車検専門店
費用高め中程度安い
品質高い工場次第店舗次第
納期数日1〜2日当日〜翌日
電子系統の診断精度高い工場次第低め
追加整備の提案多め適切が多い積極的
おすすめの状況ハイブリッド・最新電子系統信頼できる工場が近くにある消耗品交換が少ない良好な車

整備士視点:車検を通すべきか、売却すべきか

車検の時期は「この車に乗り続けるかどうか」を見直す最良のタイミングです。

「車検費用 + 修理費」の総額で判断する

車検を受けに行くと、追加整備の見積もりが出ることがあります。「車検費用8万円 + タイヤ交換4万円 + ブレーキパッド2万円」といったケースでは、総額14万円の出費になります。

このとき、「次の車検(2年後)まで無事に乗れるか」と「今の車の買取相場はいくらか」を比較することが重要です。

売却を検討すべき目安

状況判断の目安
車検費用+追加整備が20万円超買取相場と比較して判断
車齢10年超かつ走行15万km超次の車検でも高額整備が予想される
バッテリー・エンジン系の大修理が必要修理費 ÷ 現在の車の価値で判断
次の車検まで乗り続ける自信がない今売った方が高額査定になることも

整備士として正直に言うと

車検直前の車は、車検後と比べて買取価格に大差はない場合が多いです(査定員は走行距離・状態・市場価値で判断します)。つまり、「車検を通してから売る」より「車検前に売る」方が、出費を抑えられることがあります。

車検費用として20万円以上の出費が見込まれるなら、一度買取査定を取って「今売るといくらになるか」を確認してから決断することをおすすめします。


まとめ

車検費用は「法定費用(変わらない)」と「整備費用(業者で差がある)」に分かれます。業者によって1〜5万円程度の差が生じますが、車の状態・整備内容・業者の信頼性を総合的に判断することが重要です。

また、車検の時期は「今の車に乗り続けるかどうか」を見直す最良のタイミングです。高額な追加整備が必要な場合は、車検前に買取査定を取って売却と比較することをおすすめします。


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